アンケートを実施した後には、正確に意義のある集計を行う必要があります。この集計がデータのアウトプットの質を左右してくるので、適切な集計方法の選択・ツールの活用方法を行えるようにすることが重要です。エクセルで全ての集計/分析
株式会社Questでは、ローデータをアップしてクリックするだけで、美しいグラフと表を作成することができるクロス集計ツールを開発・提供しています。現在α版の無料利用キャンペーン中です。利用をご希望の場合は下記画像からお問い合わせください。登録後にα版を無料利用いただくことが可能で、正式版がリリースされた際は優先的にご案内いたします。
最も基本的な集計方法で、アンケート結果の回答内容の全体的な傾向を把握するのに適しています。アンケートで提示した設問についての回答状況(各選択肢の選択者数や割合)を表しています。下記の表はエクセルのピボットテーブルを用いて作成しています。
エクセルのピボットテーブルで作成した単純集計の結果を、パワーポイントを用いて100%積み上げ横棒グラフとしてまとめています。数値を視覚化することで各頻度の割合が一目で理解できるようになりました。ここで作成したグラフはあくまで一例です。
全体的な傾向を単純集計で把握した後には、クロス集計を用いて属性別等の個別の傾向を分析します。ある設問についての回答状況を性別、年齢や他の設問の回答状況に応じて分割していくので、セグメントごとの様相を把握するのに適しています。下記の表はエクセルのピボットテーブルを用いて作成しています。
エクセルのピボットテーブルで作成したクロス集計の結果を、パワーポイントを用いて100%積み上げ横棒グラフとしてまとめています。数値を視覚化することで各頻度の割合が一目で理解できるようになりました。また、クロス集計の際には、分析軸が2軸あるので、それぞれについてのグラフを作成することができます。ここで作成したグラフについてはあくまで一例です。
アンケート集計の結果得られた数値データの扱い方については、主に「平均」「中央値」「標準偏差」「最頻値」「最大値・最小値」があります。以下では、それぞれについて簡単に説明しています。
データの代表値として中央値とともによく用いられます。一言に平均といっても「算術平均(相加平均)」「加重平均」「幾何平均(相乗平均)」「調和平均」と種類があり、それぞれ使う場面が異なるので注意が必要です。算術平均は、最も一般的なもので全データの値の合計をデータの数で割って算出します。加重平均は、重み付きの平均で、各値に重みをかけてからそれらの重みの合計で割って算出します。幾何平均は、利子率等の指数関数的に増加するデータについて、n個の値の積のn乗根を取ることで算出します。調和平均は、データの逆数の算術平均を算出したものです。ただし、平均は外れ値の影響を受けやすいので必ずしも現実の状況を正確に反映しているとはかぎりません。
データの代表値として平均とともによく用いられます。全データを大きい順(小さい順)に並べたときに、真ん中にくる値のことです。データ数が偶数の時は、真ん中の2つの値の算術平均が中央値となります。平均とは違い、外れ値の影響は受けにくいです。
データの散らばりを表す指標です。偏差の二乗の合計をデータ数で割ったものの平方根を出すことで算出します。この値が大きければ大きいほどデータが散らばっているということになります。また、標準偏差の二乗は分散を表しています。
全データの中で最も登場した頻度が高い値のことです。
全データの中で、最も値が大きいものと小さいものです。外れ値になっている可能性があるので、注意が必要です。
テキストタイプの自由記述で得られるデータは定性的なものになります。このままでは定量的な分析が行えないので、「アフターコーディング」や「テキストマイニング」といった方法で定性データを定量データに置換します。
自由記述の選択肢化のことであり、テキストによる回答内容のうち、類似している内容の回答をカテゴリーとしてまとめていくことによって、定性的なデータを定量的なデータへと置換できます。
自由記述の回答中の文章を単語や文節ごとに分割していくことで、各単語の出現頻度や相関関係を分析していきます。分析結果はマッピング等によって視覚化することも可能です。
単一選択の設問に関して、エクセル上で指定した範囲について条件に合致するデータの個数を調べる際に有効です。セルにCOUNTIF(範囲, 検索条件)と入力することで求められます。例えば、性別を尋ねる設問について「男性」と回答した人の人数を知りたいときには、=COUNTIF(範囲, “男性”)と入力することで求められます。また、複数条件をかける際には、COUNTIFS関数を用います。
複数選択の設問に関して、エクセル上で指定した範囲についてデータの個数を調べる際に有効です。あらかじめ各選択肢について選択している場合には「1」、していない場合には「0」というように入力しておきます。各選択肢について集計表の該当するセルに=SUM(INDEX(参照(範囲), 行番号, 列番号))と入力することで合計が求められます。ここでいう合計とは、選択者数と一致しているので、求めたいデータの個数を算出できます。
アンケートの結果得られた大量のデータの集計やその中でも必要な情報のみを適当な分析軸で集計したいときに有効なのがピボットテーブルです。エクセルの「挿入」欄から「ピボットテーブル」を選択することで作成されます。ピボットテーブルの実際の活用方法については、「クロス集計の概要と実施時の注意」という記事で取り上げているので、参考にしてください。
ここまでの説明でわかる通り、エクセルでアンケートを集計する際は、複数のプロセスを経てからようやく分析へと移ることが大半です。
ピボットテーブルや関数を駆使した集計表の作成→可視化するためにグラフへ落とし込み→比率の差で色分け&統計を使った有意差検定→分析作業に移るというプロセスは、エクセルの機能を使いこなす玄人向けの分析作業といえます。
特に、初めてアンケート分析を行う人であれば、各ステップ膨大な時間がかかったり、分析した結果が正確かどうかの確信が持てなかったりするなど。分析業務自体にも影響が出る恐れがあります。
アンケートのデータを読み込ませることで、単純集計/クロス集計の表を作り、グラフを出力できるツールはアンケート集計ツールと呼ばれています。こういったツールではエクセルで設定すると時間がかかるような分析も短時間で行えるという点で分析時に重宝します。
リサーチ会社であるQuestでもアンケート集計ツールを開発・提供しており、現在α版を無料でご利用いただけます。
Quest のアンケート分析ツールを利用することで、ローデータをアップするだけで分析を円滑に進めるグラフと表を作成することができます。
エクセルを手動で作成するよりも早く、かつインサイトや気づきを抽出しやすい細かな設定を直感的に行うことが可能です。
まず、集計をかけたいデータのローデータをアップロードよくアンケートで使われる日本国内の調査会社3社と、海外・国内のアンケートツール2つのフォーマットに対応しています。
ローデータを一度アップしたら、クロス集計やグラフを作るための複雑な計算や設定は不要です。分析軸と表示させたい設問を選ぶことで、パッとグラフ/クロス集計を出力します。
ハイライトしたい部分の色付けやグラフの降順/昇順での並び替えといった、分析に役立つ機能もワンタッチで自在に、直感的に設定が可能です。
リサーチ会社であるQuestが培ったアンケート分析のノウハウを随所に実装しており、分析時に必要となる細かな設定方法をサポートします。
分析セグメントの回答数チェック・差異のハイライト・有意差検定は自動で行われ、分析者は示唆を抽出することに専念することができます。
利用してみたい方は、次のページでメールアドレスを入力のうえ、事前通知に登録ください。登録確認メールにて、α版利用に関するお知らせも記載しておりますので、ご希望の方は直接メール等でやりとりできればと思います。
なお、試作版の利用に関して、営業行為はいたしませんのでご安心ください。フィードバックいただけるお客様と一緒に、よい製品に仕上げていきたいと思っています。
実施したアンケートを集計する際に、算出した各セグメントごとのデータと元データに整合性があることを確認する必要があります。アンケートでは回答が途中で放棄されることもあるので、設問に応じて分母が変化したり、また調査の対象外となる回答者の回答をデータに反映させないといった配慮も必要です。他にも集計の際に使用している分析軸が自分が行いたい分析にとって適切かどうか注意しておく必要もあります。
細かいセグメントにについての集計結果を算出したい場合に、単純集計ばかり用いていても分析は進みません。また逆に単純集計によって全体的な集計結果の傾向を把握する前にクロス集計をむやみに行っても、セグメントの集計結果が正しく状況を反映できていないといった事態に陥る可能性があります。さらに自由記述について選択式の設問と同様の集計を行っても一貫性にかけるため、定量的なデータに置換するといった作業も必要となります。分析の段階にあった適切な方法選択が重要です。
アンケート集計の結果を可視化するためにデータをグラフに落とし込むことがあります。その際に使用するグラフ選択を誤ると、集計結果を正しく第三者に伝えることができません。円グラフ・棒グラフ・折れ線グラフ等のそれぞれのグラフが表現できる内容を把握した上で、グラフを使用する必要があります。例えば、あるデータについての構成比の変化を表現する際に 円グラフを用いたとしても瞬時に視覚的に比較することは難しい場合があります。適切なグラフ選択が正確でわかりやすいアウトプットへと繋がります。