アンケート結果のクロス集計はどのように行う?Excelでの集計とグラフ出力の方法を解説

作成日:
2024-06-10
更新日:
2024-06-10

アンケートを実施した後に行う集計にあたって、クロス集計は非常に重要な役割を果たす集計方法の一つです。このコラムでは、設問形式の組み合わせに応じたExcel等の表計算ソフトでのクロス集計表の作り方を解説しています。 クロス集計はアンケート結果の分析にあたって重要となる手法ですが、表計算ソフトでローデータから集計表やグラフを直接作成するのは大変な作業です。アンケート分析ツールを利用することで、そうした集計表・グラフ作成作業の負担を大幅に軽減することが可能です。

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アンケート結果のクロス集計表の作り方【Excel・スプレッドシート】

アンケート結果をExcelに取り込み、ピボットテーブルや関数を利用することで、クロス集計表を作成することができます。

ここではExcelの具体的な手順を記載しますが、Google スプレッドシートでもおおよそ同様の手順でクロス集計表の作成が可能です。

単一回答(SA)形式 × 単一回答(SA)形式

単一回答(SA)形式の設問同士をクロス集計する場合は、アンケートのデータからピボットテーブルを作成して、行に分析軸とする設問の行を、列に分析対象とする設問の行を設定することでクロス集計を作成できます。

ここでは、性別を聞くQ1とスポーツジム・フィットネスクラブに通った経験を聞くQ6という2つの設問のクロス集計を行います。

図1. SA形式 × SA形式のデータの例

Q6を分析対象に、Q1を分析軸としたクロス集計を行う場合、図2のようにピボットテーブルのフィールドを設定することで、図3のようなクロス集計表が作成されます。

図2. SA形式 × SA形式のフィールド設定の例
図3. SA形式 × SA形式のクロス集計表の例

複数回答(MA)形式 × 単一回答(SA)形式

単一回答(SA)形式の設問と複数回答(MA)形式の設問をクロス集計する場合は、データを少し加工してからピボットテーブルを作成するとスムーズです。

ここでは、電子書籍を読むときに用いるデバイスを聞くQ11(MA形式)を分析対象に、性別を聞くQ1(SA形式)を分析軸としたクロス集計を行います。

以下の図4は、実際のアンケートデータからこれら2設問だけを抜き出したデータです

図4. MA形式 × SA形式のデータの例

多くの場合、MA形式の設問の回答データは、上記図4のように選択肢ごとに列が分かれています。
このような場合には、下記図5のように列のラベルを選択肢で置き換えたデータをつくり、それをもとにピボットテーブルを作成すると集計がしやすくなります。

図5. MA形式 × SA形式のデータ(整形後)の例

上記図5のデータからピボットテーブルを作成し、値には分析対象となるMA設問の選択肢列を全て設定、行には分析軸となるSA設問を設定することで、下記図7のようなクロス集計表を作成することができます。

図6. MA形式 × SA形式のフィールド設定の例
図7. MA形式 × SA形式のクロス集計表の例

また、SA設問を分析対象に、MA設問を分析軸とする場合には、SA設問を列に設定し、「Σ 値」を行に設定することで、図7の表から行と列を入れ替えることができます。

図8. SA形式 × MA形式のフィールド設定の例
図9. SA形式 × MA形式のクロス集計表の例

複数回答(MA)形式 × 複数回答(MA)形式

MA形式の設問同士でクロス集計をする場合には、ピボットテーブルを使うことはできません。

図10のように、横軸(表頭)に分析対象とする設問の選択肢を、縦軸(表側)に分析軸とする設問の選択肢を並べ、COUNTIF関数などでそれら両方に当てはまる回答の数を計算する必要があります。

図10. MA形式 × MA形式のクロス集計表の例

マトリクス形式の設問を含む場合

マトリクス形式の設問を含むクロス集計は、一つのピボットテーブルで行うことはできません。

マトリクス形式の設問を分析対象とし、SA設問やMA設問を分析軸とする場合は、分析軸とする設問の選択肢ごとにマトリクス形式の設問の集計表を作成する必要があります。

図11. マトリクス形式の設問を含むクロス集計表の例

また、SA形式やMA形式の設問を分析対象とし、マトリクス形式の設問を分析軸とする場合は、マトリクス設問を複数のSA形式・MA形式の設問に分解し、それぞれを分析対象の設問と掛け合わせてクロス集計表を作成します。

図12. マトリクス形式の設問を含むクロス集計表の例2

マトリクス形式同士のクロス集計の場合も同様に、両方の設問をSA形式・MA形式の設問に分解し、全ての組み合わせについてクロス集計表を作成します。

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アンケート結果のクロス集計グラフの作り方【Excel】

ピボットテーブルで集計表を作成したとき

ピボットテーブル内のセルを選択した状態で、「挿入」から「ピボットグラフ」や各種グラフのボタンを押すことで、グラフを作成することができます。

ピボットテーブルから作成したグラフの例

また、ここで作成したグラフをコピーし、PowerPointのスライドにペーストすることが可能です。

PowerPointにペーストしたグラフの例

関数を使って集計表を作成したとき

集計表のうち、グラフ化したい部分を選択し、「挿入」から各種グラフを選択することで、グラフを作成することができます。

関数を使って作成した集計表の例
関数を使って作成した集計表のグラフ例

こちらも、PowerPointのスライドにコピー&ペーストすることが可能です。

関数を使って作成した集計表のグラフをPowerPointにペーストした例

注意:分析対象がMA形式の設問である場合

MA形式の設問では、一人の回答者が複数の選択肢を選びうるため、ほとんどの場合で回答の総数が回答者数よりも多くなります。

そのため、下記画像のような100%積み上げグラフでは男性の40%強が「スマートフォン」を選択しているように見えますが、実際に「スマートフォン」を選択している男性回答者の割合はそれよりも大きくなる、というようなことに注意する必要があります。

例分析対象がMA形式の設問であるクロス集計表をグラフ化した例

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各調査会社のアンケート分析ツール

調査会社の中には、独自のアンケート分析ツールを提供しているところがあります。各社それぞれのフォーマットで出力されるアンケート結果を読み込み、単純集計・クロス集計の実行、グラフの出力、統計検定などを行うことができます。

以下では、代表的な調査会社とその提供するアンケートツールをご紹介しています。

マクロミル:Quick Cross

集計のキホン | マクロミル

クロス・マーケティング:Cross Finder2

無料集計ツール「Cross Finder2」 | リサーチ・市場調査ならクロス・マーケティング

インテージ:Lyche-Epoch®

集計ツール|カスタマイズ集計納品 (Lyche-Epoch®)|市場調査ならインテージ

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