従業員満足度調査後の施策検討時に役立つ理論とは

作成日:
2021-04-27
更新日:
2021-07-07
従業員満足度調査後の施策検討時に役立つ理論とは

従業員満足度(Employee Satisfaction、以下ES)調査とは、自社の従業員に対して仕事内容や人間関係・職場環境などといった様々な観点に関する満足度を測定する調査のことで、働き方改革などで最近更なる注目を集めております。ES調査をしたことのある方には調査後にどんな施策を立案しようか頭を悩ましている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、ES調査後の施策検討時に役立つ4つのモチベーション理論について分かりやすくご紹介します。

施策検討に役立つ4つのモチベーション理論

ES調査(詳細はこちら)では実施後必ず施策を打つ必要がありますが、施策とは対象者(従業員)に思い通りの行動を起こさせる、つまり動機付けを行うための方法です。心理学の理論では、人を動機付けられるものは「報酬」と「目標」であると言われています。そこで、「報酬」・「目標」と動機付けに関する心理学理論を4つほどご紹介します。

期待理論

期待理論とは1964年ブルームによって提唱された理論で、人間はどうやって動機付けられるかという「動機づけの過程」を説明した理論のことです。具体的には、人間の行動は「どこまでやればよいかの限界値が明確で、どうすればよいのか戦略が必要充分であり、達成した目標の成果が魅力的であれば、その目標に向かって動機付けされる」とブルームは考え、期待理論では以下2つの期待を連鎖的に成立させることで人間の行動を動機付けられるとしています。

期待連鎖1 目標を実現することによって、魅力ある成果を期待する

期待連鎖2 戦略によって、目標の実現を期待する

この理論から人を動機付け思い通りの行動を起こさせるには、1つ目に魅力ある成果(報酬や承認)の設定、2つ目に成果を実現するのに丁度いい目標値の設定、3つ目にその目標値を実現するのに丁度いい戦略の設定、この3つの設定を行う必要があります。また、意外と忘れがちなのが期待連鎖を促すことで、どれだけ魅力的な報酬や目標・戦術があっても、従業員自身が「この戦略では目標を実現できない、この目標を実現しても成果は望めない」と認識していては動機付けることはできません。また、魅力的な成果に関して、この成果とは報酬などの有形のものだけでなく他者からの賞賛や成長など無形のものも含むことに注意してほしいです。

目標設定理論

目標設定理論とは目標がモチベーションに及ぼす効果についての理論のことで、どのような目標が人を動機付けるには適切なのかを説明しています。目標設定理論によると本人が納得している目標に限って、

1.目標が一定以上の困難を伴うこと(目標の難易度)

2.目標が具体的で明確であること(目標の具体性)

の2つの条件が整ったときに人はその目標達成に向けて強く動機づけられると説明されています。但し、これは本人がその目標に納得していることが条件で、押し付けられた目標では成り立たないことに注意してください。

1つ目の目標の難易度に関しては、現実性を欠く目標では逆にモチベーションが下がってしまうためきちんと努力すれば達成できる範囲で、できる限り高い目標を設定するとよいでしょう。2つ目の目標の具体性に関しては、SMARTの法則を意識するとよいでしょう。(Specific:具体的に、Measurable:測定可能な、Achievable:達成可能な、Related:経営目標に関連した、Time-bound:時間制約がある)

また目標設定理論では目標の難易度と目標の具体性以外にも、早く的確なフィードバックを受けることで、更に人はその目標達成に向けて強く動機づけられるとしています。目標管理に関しての施策立案時には、その理論を参考に目標設定の機会やフィードバックの機会を拡充することなどを考えてみましょう。

マクレランドの欲求理論

マクレランドの欲求理論とは、従業員には達成欲求と権力欲求と親和欲求と回避欲求の4つの欲求しか存在しないという理論のことです。4つそれぞれの欲求を持つ人で性格やモチベーションの源泉が異なるため以下の詳細を見ることで、その従業員にあった職場作りできるでしょう

・達成欲求

どうしても成功しなければいられないという欲求を持ち、成功の報酬よりも、自身がそれを成功させたいという欲求から努力するタイプの人のこと。このタイプの人は、個人的な進歩に最大の関心があるため、何事も自分の手でやることを望み、中程度のリスクを好み、自分が行ったことの結果について迅速なフィードバックを欲しがる性格です。結果が分かりやすい営業職に向いています。

・権力欲求

他者にインパクトを与え、影響力を行使して、コントロールしたいという欲求を持つタイプの人のこと。このタイプの人は、責任を与えられることを楽しみ、他者から働きかけられるよりも、他者をコントロール下におき影響力を行使しようとし、競争が激しく、地位や身分を重視する状況を好み、効率的な成果よりも信望を得たり、他者に影響力を行使することにこだわる性格です。部下を管理する管理職に向いています。

・親和欲求

他者と交友関係を作り上げることについてきわめて積極的な人のこと。このタイプの人は、人の役に立とうと努力でき、他者からよく見てもらいたい、好かれたいという願望が強く、心理的な緊張状況には一人では耐えられなくなる傾向がある性格です。性格から対人業務に向いています。

・回避欲求

自らリスクを取ろうとせず、責任や意思決定から逃れようとする人のこと。このタイプの人は、失敗を恐れて適度な目標にあえて避けようとし、批判を恐れて周囲に合わせようとする傾向がある性格です。受動性が高く危機回避能力に長けているため安定したルーチンワークの多い事務職に向いています。

公平理論

公平理論とは人はどのように自分の報酬を捉えるのかに関する理論で、「自分の仕事量や投入量(Input)に対する報酬(Outcome)」と、「他者の仕事量や投入量(Input)に対する報酬(Outcome)」を比較し不公平さを感じる場合、その不公平さを解消し公平となるような行動をとるように動機付けられるとする理論のことです。なお、ここでのInputとは「努力、経験、能力」、Outputとは「給与、昇進、表彰」などを指しています。

少しややこしい話になりますが、この理論は自分(a)の投入量Ia、自分の報酬Oa、他者(b)の投入量Ib、他者の報酬 ObとするとOa/Ia = Ob/Ibの公平な状態を目指すというものです。つまり、自分が他者に比べて投入量に対する報酬の割合が高いと感じた場合(Oa/Ia > Ob/Ib)は、等式になるように例えば自分の投入量を増やしたり(より仕事をするようになる)、他者の報酬を増やす働きかけ(助け合うようになる)をするということです。この理論の要点は、人は報酬を絶対値で見るのではなく、時給のように投入量に対する報酬と割合で捉えること、またそれを他者と比較することで次の行動を決めることです。報酬制度に関する施策検討時には、報酬の絶対値ではなく比率として妥当なのか、さらには現状の人事評価や報酬制度に公平さがあり、他者と比べたときに等式が成り立ちそうかを確認するようにしましょう。

従業員満足度調査の施策検討時の注意点

・ES調査から施策実行までのタイムスパンはできるだけ短くする

ES調査をし、結果を分析したあとに適切な施策を検討・実行するまでには多くの時間がかかると思います。ただ、このタイプスパンは可能な限り少なくすることが大切です。これは従業員側からすると長いアンケートに率直に考えたにもかかわらずに何も会社からのアクションがないと、更に従業員満足度が悪化するからです。


・施策実行後は必ず効果測定までを行う

施策を実行したあとは必ず効果測定を行いましょう。そのため、施策実行時には施策の効果を図るための指標やその目標値を設定しておくと良いでしょう。また、効果測定も同じようにアンケート調査で行い、その際は従業員の負担にならないように質問数を絞って数問程度でクイックにアンケートを行うと正確な調査ができるでしょう。


結論

ES調査の後には必ず施策を打つ必要があり、今回は施策の本質である従業員も動機付けに関して代表的な4つのモチベーション理論を紹介しました。本記事で紹介されている理論を用いて効果的な施策の立案を行いましょう。また、施策実行時にはES調査とのタイムスパンを開けすぎないことや必ず効果測定を行うことを徹底しましょう。


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