マーケティングリサーチ会社の選び方・見積もり依頼のポイントは? 市場調査会社7社を比較!

作成日:
2024-06-10
更新日:
2024-06-10

商品の企画や販売戦略策定などのための手段として市場調査があります。この市場調査を担うのがリサーチ会社です。リサーチ会社は、クライアント企業の課題解決のため、様々な方法で調査や分析を行いますが、そのサービス内容はそれぞれ異なります。今回は、市場調査の見積もり依頼の際に、どのようなポイントをチェックしてリサーチ会社を選別すればいいのかをまとめます。さらに、リサーチ会社7社についての簡潔に比較していきます。

マーケティングリサーチ会社を選ぶポイント①: 品質

リサーチ会社の「パネルの規模/サンプル数」「パネルの特性」「アンケート画面」といった調査の品質にかかわる要素は実施できるリサーチの幅を左右するので、リサーチ会社を選ぶ際には注意してください。

1. リサーチ会社の「パネルの規模/サンプル数」

パネル(アンケートの回答者)の規模は必要なサンプル数確保できるかを左右するので、重要なポイントです。リサーチ会社各社はパネルの共有をしていることがあるため、そこまでサンプル規模の差がないことも多いですが、細かい差が発生します。サンプル数は、大きなユーザー基盤を持つサービスとの提携や、独自パネルを持つ企業との契約状況(パネル開放度合など)によって変化するため、毎回見積りを取るようにしましょう。「最大規模」と記載のあるパネルであっても、性別や居住地、年齢などでセグメントして分けた場合、お願いをする企業によってはサンプル数を十分に確保できない場合もあるので注意が必要です。

2. リサーチ会社の「パネルの特性」

必要なサンプルにリーチできるパネルであるかどうかも確認が必要です。パネルがどのように集められているのか、その属性、重複登録者の有無、悪質な回答をするパネル対策の有無をチェックし、自分の求めるリサーチと整合しているか確認しましょう。例えば、パネルによっては、カード会社や携帯会社との提携を通じてアンケートを打っているケースもあるのですが、その会社を通じて「利用しているカード」や「利用している携帯電話」を聞くと極端にバイアスがかかってしまうことがあるため、注意が必要です。

3. リサーチ会社が提供する「アンケート画面」

ツールに柔軟性のない企業であると、設計した形でのアンケートが難しい場合があります。自分が望んだ形でのアンケートができるかどうかも、リサーチ会社を選ぶ上で重要な視点となります。また、ツールがユーザーにとって答えやすい形式であることも必要です。特に、モバイル対応の有無などは回収率にも影響します。スマホとPCの違いによるアンケートへの影響については、「アンケートにおけるPCとスマホの違い」も参考にしてください。

マーケティングリサーチ会社を選ぶポイント②: コスト 

調査実施の際にかかるコストには、主に実施コストと付帯サービスのコストがあります。リサーチ会社によってこれらのコストは変動するので、どの会社を選択するか決める際には自身の予算とともによく検討してください。

1.調査の実施コスト

調査の規模や手法により、アンケートの実施にかかるコストは大きく異なります。また、最大で4倍程度の差が出てしまうこともあるので、提示されたスクリーニングや本調査のコストが適正かどうかを確認する必要があります。予算内でクオリティの高い調査をするためにも、各会社の見積もりを取得して、会社の値段設定をよく吟味するようにしましょう。

2. 調査の付帯サービスにかかるコスト

リサーチサービスには、多様な解析方法や資料作成といった付帯サービスが充実した「従来型」とアンケートの設計作業・配信管理・集計分析を自分で行う「セルフ型」が存在します。セルフ型では、低コストで手軽にアンケート調査を行うことができます。従来型では、専門家のサポートのある分セルフ型よりも割高になります。調査の目的・用途に合わせて、適切なリサーチサービスの選択が重要です。また、付帯サービスのコストは各社大きく異なることがあるため、特に大きな調査では見積りを取り、付帯サービスのコストが適正であるか確認することも重要です。

マーケティングリサーチ会社を選ぶポイント③: リードタイム

調査にかかる期間も評価のポイントの1つです。同じ調査方法であっても、リサーチ会社によって調査にかかる時間は異なります。調査会社のリソース次第では、会社間で数週間の差がでることがあるため、注意が必要です。

マーケティングリサーチ会社を選ぶポイント④: 付帯サービスの質

調査の実施に付随する各種サービスの質は、そのリサーチ会社の評価をするうえで欠かせません。調査設計・分析、納品物といった付帯サービスの質には注意してください。

1.調査設計・分析の質

実際の調査に加えて手厚いサポートがつくどうかも判断基準となります。企画段階から最終的なアウトプットまでどのくらいフォローがあるのか、業務のカバー範囲を確認した上で、会社ごとのサポートの質を比較して選択することが必要となります。

2.納品物の質

資料化の際に、ビジュアライゼーションが見やすく簡潔になるかどうかも確認しましょう。業界全体としてそこまで差は出ないものの、評価の指針の1つとなります。

マーケティングリサーチ会社を選ぶポイント⑤: 担当者の提案力

担当者が調査の背景や制約を理解しているかどうかは、リサーチ会社を選ぶ上で肝になる部分です。調査というのはゴールではなく手段です。リサーチ会社が、調査結果を出すことをゴールとしてしまい、調査の本来の目的を意識していないと、調査の方向性がずれてしまう場合があります。依頼者側とは異なる、客観的な視点を持って課題を整理し提言することのできるリサーチ会社を選ぶようにしましょう。自分の調査目的に対して、柔軟な対応をできる会社が適切です。

リサーチ業界におけるマーケティングリサーチ会社7社比較・一覧

リサーチ業界において、マーケティングリサーチやネットリサーチを行っているリサーチ会社7社について、その特徴・設立年度・サービス・モニター数の4点から比較していきます。各リサーチ会社は設立年度順に記載しています。

インテージ

  • 特徴:インテージは、取引社数5,000以上、取引業界65以上を誇り、1960年にマーケティング・リサーチ会社のパイオニアとして誕生しました。また、国内最大規模のパネルを保持し、テーマ別パネルの用意もあります。
  • 設立:1960年
  • リサーチサービス:ネットリサーチ、キマルAI、リアルタイム動画評価サービス、ココリサ、会場テスト、ミステリーショッピング、ホームユーステスト、郵送調査Intage Shopper’s View 店頭アンケート、店頭陳列調査、リモートインタビュー、グループインタビュー、表情解析を使った広告クリエイティブ評価
  • モニター数:約1,398万(各属性パネルの合計値)

マクロミル

  • 特徴:マクロミルは、年間調査実績30,000件、取引社数4,000社を超える国内トップクラスのリサーチ実績を誇り、また世界21ヵ国に50の拠点を展開するグローバル・デジタル・リサーチ・カンパニーです。
  • 設立:2000年
  • リサーチサービス:インターネットリサーチ、オフラインリサーチ、グローバルリサーチ、デジタルマーケティングリサーチ、データベースリサーチ、セルフ型リサーチ、メディカルリサーチ、プロモーション×リサーチ、データ分析・解析、コンサルティング、ニューロンリサーチ
  • モニター数:約1,000万(提携込)

アスマーク

  • 特徴:アスマークは、年間調査実績5,300件以上、取引企業830件以上のリサーチ実績があり、20社以上の国内提携提携パネルとの連携により約1,600万以上のパネル数を保持しています。また、19年間のノウハウを活かしたスピーディーでコスト抑制を特徴としています。
  • 設立:2001年
  • リサーチサービス:ネットリサーチ、会場調査、ホームユーステスト、郵送調査、ブランド認知度調査、Be Concept、企業イメージ調査、コンセプト調査、アンケートASP、顧客満足度調査、従業員満足調査、オーダーメイド型アンケート、ミステリーショッパー、グループインタビュー、デプスインタビュー、エスノグラフィ調査、オンラインインタビュー、オンラインインタビューシステム「i-PORT voice」、日記調査、MROC、ユーザビリティテスト、集計・分析サービス、ASMARQ Viz、D-Planner、海外調査、在日外国人に向けた市場調査、学術調査、被験者募集支援・リクルート代行、モニターリクルート、アイトラッキング調査、ジョブ調査、メンバーズリサーチ、医師パネルリクルートサービス、若年層リサーチ、CSRイメージ調査、新製品開発支援、レシートの購買データを活用した個客分析サービス
  • モニター数:約1,600万(提携込)

GMOリサーチ

  • 特徴:GMOリサーチは、年間調査実績25,000件以上、国内累計取引企業700社以上の実績を誇る国内大手リサーチ企業です。また、ネットリサーチの案件管理プラットフォームである「マーケットオブザーバー」を提供しています。
  • 設立:2002年
  • リサーチサービス:オンラインリサーチ、海外調査、消費者インサイト、プラットフォーム、消費者パネル、マーケティング&プロモーション
  • モニター数:4,269万以上

 クロス・マーケティング

  • 特徴:クロス・マーケティングは、年間調査実績10,000件以上、世界11ヵ国20拠点のリサーチ事業展開をしており、企業・政府・大学と幅広い分野で調査を行い、デジタルマーケティングにも尽力しています。
  • 設立:2003年
  • リサーチサービス:ネットリサーチ、LINEリサーチ、グループインタビュー、デプスインタビュー、ライトインタビュー、ホームユーステスト、会場調査、ホームビジット、学術調査、店頭調査、海外調査、訪日外国人調査、在日外国人調査、データ集計・変換、リクルーティング
  • モニター数:約465万(提携込)

LINEリサーチ

  • 特徴:LINEリサーチは、スマホ利用者の約96%がLINEを利用していることを強みとして、幅広い年代からのデータ収集を可能としています。また、モニターの半数が若年層であり、学生向けの調査にも適しています。さらにLINEのプッシュ通知でアンケートが配信されるため早いレスポンスと高い回答率が実現されています。
  • 設立:2016年
  • リサーチサービス:スマホリサーチ、グループインタビュー、デプスインタビュー、会場調査、ログ連携リサーチ、(ブランドリフト調査、フォロワーセグメント調査等)、チャット型リサーチ(テレビ番組評価調査、ファッションスナップ調査等)、オープン型リサーチ(来店客調査パッケージ、イベント調査パッケージ、OOH・交通広告調査パッケージ等)
  • モニター数:約549万

Quest

  • 特徴:Questは、2018年設立された新しいリサーチ会社です。戦略コンサルティング会社出身のメンバーが中心となり、調査の企画→実査→分析→資料化までを一気通貫したサポートを受けられ、質・スピードが担保されている点が大きな特徴です。さらに、調査だけでなく、事業戦略の策定支援等の依頼も可能です。また、Quest 社内に、事業会社やスタートアップで経験を積んだ PM / デザイナーもいるため、事業会社目線での示唆出しや調査以降の製品化・マーケティング支援も担えることもQuestならではの特徴です。
  • 設立:2018年
  • リサーチサービス:グループインタビュー、エスノグラフィックリサーチ、オンラインインタビュー、デプスインタビュー、フォーカスグループインタビュー、会場調査、ホームユーステスト、MROC、チャットインタビュー、定量調査・Web調査、ブランドイメージ調査・ブランド認知度調査、セミエキスパートアンケート、セミエキスパートインタビュー、エクストリームユーザーインタビュー、コンセプト受容性調査、広告クリエイティブテスト、顧客満足度調査、従業員満足度調査、デジタルログリサーチ、日記調査、ミステリーショッパー、海外アンケート調査、フォトサーベイ、価格受容性調査、ユーザビリティ調査、ユーザーワークショップ
  • モニター数:1,000万以上(提携込)

まとめ

数あるリサーチ会社の中から自分に合った会社を選択するためには、まず自身の行いたい調査の目的を明確にした上で、調査の品質やコスト、時間、提案力などを軸に評価するようにしましょう。適切なリサーチ会社を選ぶことによって、調査結果を最大限に活かすことができます。

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