バリュー・プロポジションとは、自社が製品を通して顧客に提供する価値を指します。顧客は自社製品に対して魅力を感じて購入しますが、自社が認識している提供価値と顧客が求める価値に乖離があると、適切なマーケティングができなくなってしまいます。
バリュー・プロポジションとは、自社が製品を通して顧客に提供する価値を指します。顧客は自社製品に対して魅力を感じて購入しますが、自社が認識している提供価値と顧客が求める価値に乖離があると、適切なマーケティングができなくなってしまいます。
例えば、あるファッションブランドがあるとします。自社は「リーズナブルな価格設定」を売りにしていたとしても、顧客がブランドに対して見出す価値は「シンプルなデザイン」であるかもしれません。
近年ますますバリュー・プロポジションが重視されています。市場に商品やサービスが飽和している現在、競合との差別化を図るために、ただ尖った商品を発案すれば良い訳ではありません。なぜなら、顧客の需要がなければ売れないからです。また、一般に価値観は多様化しており、提供したいバリューを明確に設定しなければ顧客に刺さりにくい商品となる恐れがあります。自社商品の立ち位置・特性、期待される価値を認識した上で、効果的な戦略を立てることがビジネスの勝ち筋となります。
では、どのようにバリュー・プロポジションを考えればよいのでしょうか?思考の整理を助けてくれるものが「バリュー・プロポジション・キャンバス(VPC)」です。
VPCを活用することにより、自社が認識している価値と顧客から期待されるバリューを整理することができ、ズレがあった場合に製品内容のブラッシュアップや宣伝方法の改善などに役立てることができます。
では、上記の図をテンプレートとして、実際に使い方を確認していきましょう。
対象とする顧客を簡潔に表現します。この際、年齢、性別、ライフスタイルなど詳細に設定しておくと、バリュー・プロポジションの解像度が大きく上がります。アンケートなどの定量的なデータを利用するとより良いでしょう。
設定したターゲット情報をもとに、想定されるニーズを整理します。下記3つの観点で洗い出すと良いでしょう。
最後は、顧客の需要を満たすために、自社が提供できる内容を探っていきます。この際、今回の検討している商品に限らず、自社の強み、弱みを俯瞰してみるとより本質的な分析になるでしょう。自社についても、3つの観点で整理すると良いです。
これまでVPCの使い方を見てきましたが、動画サブスクリプションサービスを例にまとめると下記のようになります。
顧客への提供価値:映画・ドラマ見放題
顧客対象:映画好きなインターネットユーザー
Customer Job(s) 顧客が解決したい課題:映画を好きな時に好きなだけ楽しみたい、巣ごもりの楽しみがほしい
Gains 顧客の利得:リーズナブルさ、一元化されたプラットフォーム
Pains 顧客の悩み:広告、時間・場所・タイミングの制約、質の担保
Product & Services 製品とサービス:動画サブスクリプションサービス
Gain Creators 顧客の利得をもたらすもの:サブスクリプション、複数の媒体でも同期可能
Pain Relievers 顧客の悩みを取り除くもの:ストリーミング、月額制、社会的信頼
いかがだったでしょうか?バリュー・プロポジションを使って自社製品の盲点をなくし、効果的な価値提供を試みましょう。