アンケートにおいてわからない、答えたくないといった選択肢を入れる場合があります。こうした選択肢はどの様なメリット・デメリットがあるのでしょうか。
アンケートにおいて「わからない」「答えたくない」といった選択肢を入れる場合があります。しかしその使い方は曖昧で、多くの調査では調査担当者の気分のよって挿入されるかが決められています。では、こうした選択肢はどの様なメリット・デメリットがあるのでしょうか。
「わからない」「答えたくない」といった選択肢にはどの様なメリットがあるのでしょうか。
記憶が曖昧な回答者も無理に選択することなく回答を進めることができるため回答の脱落を防ぐ効果があります。また、「わからない」以外を選択するのは正確な記憶がある回答者に限定されますのでより正確なデータを収集することができます。
回答を強要することは回答者にとってのストレスに繋がり、結果として、より多くの回答者が回答を放棄してアンケートの回収サンプル数が低下してしまうことに繋がる可能性があります。重要度の低い質問を任意回答とすることで本当に回収したい質問のボリュームを増やすことは大切と言えるでしょう。
「わからない」選択肢があると当然その質問に関する有効回答数が減少するため、完全なデータが必要かつ回収できるサンプル数が少ないと予測される場合には「わからない」選択肢は結果の分析を妨げる可能性があります。
例えば「ご自身の健康状態として最も近いものを選択してください」といった質問では「わからない」といった選択肢を重要となります。ここでの「わからない」といった選択肢の割合が高い場合には、そもそも健康に関する意識や認知が足りない、といった別の示唆を得ることができます。
少しでも曖昧な記憶を排除した調査を実施したい場合には「わからない」といった選択肢を入れることを検討しましょう。その分サンプル数を拡充し精度の高い調査分析を行うべきでしょう。米国SurveyMonkey社の調査ではありますが、全体の33%が年収に関して答えたくないと回答していることが明らかになっています。年収やジェンダーなどセンシティブな質問は場合によっては非常にストレスとなる場合もありますので、回答を任意とする配慮も必要となります。