アンケートの作成においていつランダマイズを適用するべきか?

作成日:
2021-01-21
更新日:
2021-04-28
アンケートの作成においていつランダマイズを適用するべきか?

アンケートに回答する際、つい一番最初の選択肢を回答してしまう経験はないでしょうか。こうした粗雑な回答による不適切な偏りを防ぎ、均質な回答を得るために選択肢の表示順を対象者によってランダムに変更する「ランダマイズ」という手法を取ることがあります。一方で質問によってはランダマイズをすることで選択肢内の秩序が乱れ、回答者にとって大きな負担となってしまう場合もあります。今回は選択肢の順番が回答に与える影響とランダマイズに関する注意点について着目し正しい使い方を学んでいきましょう。

アンケートにはどのような「偏り」があるのか

順序バイアス

長時間に及ぶアンケートでは、回答者が疲れてしまい、煩雑に最初の選択肢を回答をしてしまう傾向があります。同じような質問が繰り返される場合に頻発する傾向にありますのでランダマイズをおこなうことで影響を分散させるべきです。

初頭効果

アンケートを回答する時に選択肢の一番最初であったり、一番左に配置された選択肢を選んでしまう、煩雑な回答とはまた別の心理学における初頭効果という現象です。

二つの人物についてまとめたプロフィールを読んだ時にあなたはどちらに好感を抱くでしょうか。

Aさん:知的・活発・繊細・短気・嫉妬深い
Bさん:短気・嫉妬深い・繊細・知的・活発

AさんとBさん、よく見ると同じ性格の特徴を持っているにも関わらず、恐らくは前者のAさんに良い印象を抱いたのではないでしょうか。これが初頭効果そのものであり「活発・知的」といった良い印象を与える要素を冒頭に置いたAさんと「嫉妬深い・短気」といった悪い印象を与える要素を冒頭に置いたBさんとでは印象が異なる結果に繋がるのです。

ウェブアンケートにおける初頭効果として、Couper(2014)は「いかなる回答形式でも初頭効果は確認され、回答者は回答画面上にはじめから見えている情報の中から選択する傾向にある」ことを明らかにしており、クリックによって隠された選択肢をみるドロップダウン形式の質問と全ての選択肢を一目で確認できるラジオボタン形式ではドロップダウン形式の質問の方が初頭効果が大きいとしています。また質問内容によって初頭効果の影響度合いは異なるとされています。日野, 山崎, 遠藤(2014)は「対立項目」では初頭効果が得られなかった一方で「合意項目」では初頭効果が見られたと示しています。

新近効果

一方で選択肢の最後であったり右側の選択肢選んでしまう新近効果という現象も確認されています。

Krosnick & Alwin(1987)は初頭効果・親近効果の発生するタイミングの違いを分析しており、視覚的情報では初頭効果、聴覚的情報では親近効果が生じやすいとしています。電話インタビューなど視覚的情報がない場合には配慮するべき効果かもしれません。

知っておくべきランダマイズのリスク

アンカリング効果

アンカリング効果とは前問の回答が基準となって後の問題の回答結果に影響を与えるという効果です。一般には通販で元値を見せた後に割引価格を見せることで消費者に割安感を強調する時などに使われます。アンケートでは、食品のリストに対して好きか嫌いかを回答するなど複数の対象について一覧となって回答する場合に最初に提示された選択肢が基準になりアンカリング効果が発生すると見込まれています。一覧性の質問ではリストの最初の選択肢との相対評価によって評価されると考えるとランダマイズは人によって異なる「基準」を与えることになってしまいます。ですから一覧性の質問ではランダマイズを避けて質問を設計するべきです。

結論

アンケートではランダマイズを基本的にするべきですが、一方で順番が異なることで結果にズレが出てしまうリスクもあります。基本的にはランダマイズを入れるべきですが、一覧性の質問の場合には一度ランダマイズを使わないことも考えてください。


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