MROCとは?
MROCとは、"Market Research Online Community"の略称で「エムロック」と呼ばれ、特定のテーマへの興味関心を持つ人々を一定期間オンライン上のコミュニティに参加させ、アンケートやインタビューを行ったり、参加者がコミュニティ内で行う行動を観察したりすることによって、消費者のインサイトを多面的に探索するリサーチ手法です。
日本におけるMROCは1~2ヶ月程度の期間で20~100人のコミュニティにて実施されますが、欧米では6ヶ月以上の長期間で100人以上のコミュニティにて実施されるという点で、より欧米の方が「ユーザーとの共創」を目的としたリサーチを行っているといえます。
MROCのメリット
- 地理的,時間的な制約なく参加者を集められる
- 生活に根差した本音の情報や実態からインサイトを把握できる
- 参加者の多面的な生活情報に基づきペルソナを生成できる
ことが挙げられます。
MROCの活用場面
MROCは一定期間参加者の間で意見交流を行わせる手法であるため、継続して情報を収集することやコミュニティ内のやりとりやユーザーの日記から消費者インサイトを発見することができます。
- 消費者インサイトの発見
コミュニティに参加しているユーザーたちから既存商品・サービスに対する意見を募り、彼らのインサイトを導出することによって新商品・サービス開発に役立てることができます。
- 商品・サービスの利用感想の追跡調査
一定期間使用後の商品・サービスの利用感想を尋ねたり、使用中に変化が生じた印象や評価をピンポイントで訊いたりする際にMROCは有効です。感想そのものだけではなく、それに至った過程についても考慮することができます。
MROC実施時の注意点
- コミュニティ形成を重視
有意義なMROCを実施するためには、ユーザーが参加しているコミュニティをきちんと成立させる必要性があります。そのため、活発に意見が出るように参加者内からファシリテーターを選定したり、コミュニティ・マネージャーに積極的な参加の動機付けをしてもらったり、リアルで関係のあるグループでまとめてコミュニティに参加してもらったりといった取り組みを実施することが大切です。
- 有効なインサイトを発見
MROCでは継続的に多人数での議論が行われるため,参加者の発言量は膨大になります。そのため、数ある参加者の発言データの中から有効なインサイトを抽出することが重要となります。