ホームユーステスト(HUT)とは?
ホームユーステスト(HUT)とは、対象者に製品等を家庭で一定期間試用してもらい、試用した製品等の評価を調査する手法です。
HUTの実施期間はテスト対象の製品を完全に利用し終わるまで、もしくは通常の使用周期を目安に設定されます。また、統計的に有意なデータを取りたい場合には一定数の参加者が必要となります(ドイツにおける消費者パネルを用いた化粧品に関するHUTの研究によれば、60人が必要との結論)。
HUTのメリット
設定した会場に対象者を集めてアンケート調査・インタビュー調査を行う「会場調査」と比較すると、
- より実生活に即した意見が得られること
- 同一の対象者に対して多様なテストを実施できること
などがメリットといえます。
HUTのデメリット
- 試用期間中に対象者が途中で離脱してしまう可能性がある
- 試用方法によって対象者ごとに評価のズレが生じる可能性がある
というデメリットがあります。
HUTの活用場面
HUTは商品・サービスを対象者の自宅で試用してもらうため、日常生活において商品等を利用してもらいたい場合や一定期間継続的に利用して欲しい場合に適しています。
- 新商品・サービスの市場受容性調査
実生活において新商品・サービスを継続的に利用してもらうことで、消費者にどの程度受け入れられるかを調査できます。開発した新商品・サービスの候補が複数ある場合には、それらを比較することでより良い商品を選別できます。
- 既存商品・サービスの改善
既存商品・サービスを改善する際に、一定期間利用したユーザーの感想を詳細に収集することで、どのように改善すべきかのヒントを集めることができます。これによって、ターゲットであるが現状使ってもらっていない人に「何故使えないのか」を検証することができます。
また、競合商品・サービスと一緒に利用してもらうことで改善のヒントを収集することもできます。
HUT実施時の注意点
- 対象者の離脱を見越したリクルーティング
対象者の途中離脱が起こりうることを想定した上で、離脱が起きても十分なサンプル数が担保できるように、目標とする一定数よりも多めに確保することが大切です。
- 対象者に対する手引きの内容は分かりやすく、かつ過不足なく作成
HUTの手引きについて、内容が詳細かつ専門用語を多用していると、対象者が理解できずに途中離脱につながる可能性があります。一方で、シンプルにしすぎても、試用条件にズレが発生して適切なデータを収集することができない可能性があります。