デプスインタビューとは? メリット・デメリットを理解して最大限調査を活用するコツ!料金・費用も含めた調査事例付き

デプスインタビュー (DI)とは

デプスインタビュー(Depth Interview, DI)とは、インタビュアーと対象者が1対1で対話を行い、生活実態や購買行動を深堀してインサイトを抽出することが主な目的である定性調査の一種です。時間は30分から90分程度で行われる比較的長めのインタビューとなっており、アンケート調査やグループインタビューといった他調査手法に比べ、より個人にフォーカスを当てた調査となっています。このため、個人の生活実態や商品の利用実態・満足度といった表面的な情報だけでなく、なぜその行動をとったのか・なぜその満足度なのかという生活の裏側のきっかけや行動理由も聴取することができます。

デプスインタビューのメリット

デプスインタビューのメリットは1対1でじっくりと話を聴けるため、

  • 対象者のパーソナリティや心理意識を深く理解しやすい
  • 大勢の前では話しにくいこともインタビューすることができる
  • 複雑で込み入ったことを詳しくインタビューできる

一般に、消費者が商品・サービスを購入したり利用するまでのプロセスは様々な要因によって左右されており、そういったプロセスや要因も個人個人で全く違う場合がほとんどです。例えば購入プロセスを挙げても、店頭で気になったものを衝動的に買うタイプ、事前にインターネットで入念に調べるタイプ、友人・知人の意見を重要視するタイプなどが存在し、そういったプロセス自体もその時々で購入する商品によって変わる場合もあります。

デプスインタビューでは1対1の対話を長時間行うため、こういった複雑なプロセスや要因を明らかにしたい場合に特に有効で、インタビューを通して対象者の生活実態、心理、パーソナリティ、その行動をとったきっかけ等を詳しく聞くことができます。こういった対象者の背景にある事柄を聴取することで、対象者すら意識していなかった裏側のニーズや潜在意識、価値観といったものが浮き彫りになる可能性も高くなる調査手法です。

デプスインタビューのデメリット

上述したメリットの裏返しとなるデメリットは、

  • ある特定個人の意見であるため、情報に偏り・バイアスが発生する恐れがある
  • ほかのインタビュー手法と比べ時間・コストがかかる
  • 長時間のインタビューで得た膨大な情報量からインサイトを抽出する手間がかかる

特に注意したい点は、デプスインタビューで得た情報は普遍的なものではなく、あくまでも特定個人の意見だということです。対象者の方がある商品のヘビーユーザーで継続利用意向も非常に高いからといって、同じデモグラフィック属性に当てはまる人がその商品を同じように利用するかは検証が必要です。

デプスインタビューの活用場面

上記のメリット・デメリットを踏まえた活用場面としては、

  • 既存商品を改善するため、自社ターゲットのペインポイント・コアニーズを把握する
  • 既存商品のマーケティング手法を見直すために、認知から購入、アフタサービスといったカスタママージャーニーで感じた満足点/不満点を洗い出す
  • 新商品開発において、初期の仮説立案をする

デプスインタビューのコツ! 深堀してインサイトを抽出する方法

デプスインタビューは、アンケートやグループインタビュー調査では明らかにできないような購買・利用要因を深堀して、消費者の意思決定プロセスを明らかにする調査手法です。消費者の複雑な要因を聴取する際には以下のような点を注意する必要があります。

相手に共感することで、心理的安全性を確保

対象者に「このインタビュアーになら安心して話ができる」と思ってもらうことが大切です。そのため、調査目的をきちんと正確に伝えること、録音・録画するときには事前に一言参加者に伝えておくこと、インタビューには「正解がないこと」を事前に伝えておくこと、対象者の回答を否定しないことで、緊張感を感じさせないようにしましょう。

また、インタビューが始まると同時に、いきなりサービスの質問を投げかけるのは避けるべきです。緊張などから本音を話してくれない可能性があるからです。

和やかで話しやすい雰囲気を作ることを意識して、相手の話にしっかりと耳を傾けたり、共感の意を示したりすることが大切です。

質問は決めすぎず、臨機応変に実施

デプスインタビューで得られる重要な情報として、対象者がその選択肢をとったきっかけ、商品に対して持った満足度など、表面的なアンケートなどではわからないような裏側のニーズや潜在意識があります。質問をマニュアル通りにするだけでは表層的な意見しか振られられない可能性があり、デプスインタビューの真価を発揮することはできません。重要なインサイトをなるべく多く聞き出すために、積極的にきっかけを聞いたりほかの選択肢ではダメな理由を聞き出しましょう。ある程度決めた大枠の質問項目に基づきながらも、相手の回答を受けて臨機応変に掘り下げていくことが重要となります。

対象者の反応を観察し、質問を実施

インタビューであるため、リアルタイムで対象者の反応・態度を観察でいるのもデプスインタビューならではです。対象者の何気ない言葉遣い、リアクションには無意識に感じていることが現れることがあります。こういったノンバーバルな要因からも対象者の真意や本音を引き出す機会が生まれます。

デプスインタビューとグループインタビューの違い・使い分け

デプスインタビューとよく似た定性調査の代表的な手法としてフォーカスグループインタビュー(Focus Group Interview, FGI)があります。

グループインタビューとデプスインタビューの違い

グループインタビューとは、属性や商品の利用実態など、何らかの共通点がある対象者グループに対して調査テーマに関する質問をモデレーターが投げかけ、自由に発言をしてもらう形式のインタビューです。モデレーターはあくまでも司会・進行役であり、基本的には対象者間の意見交換・相互交流がメインとなります。時間は60-120分間、人数は3-6人程度で行われることが多く、デプスインタビューよりも短時間で大勢の方から情報を得ることが可能です。フォーカスグループインタビューはその性質上、異なる属性のグループを二つ以上設け、それぞれの属性の違いによる実態・意識・反応の違いを見る場合に用いられます。また、短期間で多くの情報を取得できる点もメリットです。

一方で、デプスインタビューのような深堀には向いておらず、時間と人数の制約上あくまでも全体の傾向や意見を把握するのみにとどまります。また、大勢では話しにくいようなセンシティブな調査テーマの場合、本音を聞き出すことが難しくなります。

グループインタビューとデプスインタビューの使い分け

使い分けとしては下記のように行うことを推奨します。

デプスインタビュー:
デリケートな情報を収集したい/他人に意見を左右されずに、個々人の体験を詳細に深堀りたい/初期段階で1人のユーザーから課題を抽出したい

グループインタビュー:
クイックに多くの意見を拾いたい/異なる意見に対する各人の反応を見たい/ある仮説を幅広い観点から検証したい/仮説を発散ベースで精緻化したい

デプスインタビューの調査方法・調査の流れ

Questではデプスインタビューを下記のような流れで実施しております。

STEP1 事前打ち合わせ

調査の背景や目的をご共有頂くとともに、調査票を貴社、もしくは弊社にて作成するかを相談させていただきます。また、インタビューの対象者となる方をどのような属性でリクルーティングするかについても議論させていただきます。

STEP2 対象者リクルーティング

Questが提携しているアンケートパネルにスクリーナー用アンケートを配信し、条件に合致する方には別途電話での確認を行って、インタビューの候補者を共有させていただきます。

※補足:1つのセグメントに対して、6~10名ほどインタビューすることが良いとされています。あるテーマに関する定性調査を被験者に対して行う際に10名前後のインタビューで80~92%の新しい気づきをカバーすることができるからです。

STEP3 インタビュー実施

インタビュー当日のインタビュアーは弊社にて実施することも可能です。

Questがインタビュアーとなって実施する場合、インタビューメモをリアルタイムで共有いたします。クライアント企業様から追加で質問がある場合はそちらでご指摘いただくことが可能です。

STEP4 納品

基本の納品物はインタビューの録画となっております。オプションでインタビューサマリーシートや分析資料を納品することも可能です。詳しくはお問い合わせください。

クエストでの「デプスインタビュー」の特徴

Questでデプスインタビューを実施いただく場合、下記のような特色がございます。

最短1日でインタビューを実施

Questでは最短でインタビュー設定の依頼があった翌日のインタビュー実施が可能です。インタビュー・リサーチに関わるオペレーションのDXを進めており、効率的かつスピーディな対応を実現しています

インタビュー実施に関わる負担の軽減

日程調整や謝礼進呈だけでなく、事前調査の設計も弊社で行うことが可能です。スクリーニングの条件や候補者の要件をお伺いしたうえで、弊社側で事前調査を設計することが可能です。(貴社作成の調査票にて実施することも可能です)

アウトプットのクオリティの高さ (Option)

Top Tierの戦略コンサル出身者が自ら実践する中で繰り返しアップデートしている手順や資料フォーマットを用い、高いクオリティーのアウトプットを納品いたします。デプスインタビューに関しても、インサイトを抽出するうえで質の高いまとめ方を提供しております。

充実した提携パネル

Questでは複数のアンケートパネルと提携しており、様々な条件に合致するような候補者の方々をリクルーティングすることが可能です。

クエストでのデプスインタビューの調査事例・費用感

インタビューする人数やインタビュー対象者の出現難易度によって料金は変動しますが、以下に過去の調査事例とともにそのときに料金も記載しますのでご参照ください。

調査内容:新しい形の自動車保険サービスの受容性調査

対象者条件:
基礎属性:男女/20-40歳代/既婚子持ち世帯/大都市圏
その他属性:自動車利用頻度/自動車保有経験
サンプル数:
スクリーニング:2,000ss
インタビュー実施:6 人
クエストの協力内容 : 
インタビュー設定 (スクリーニング配信〜日程調整まで)
費用 :
27.6万円 + 税 

調査内容:注文住宅検討時におけるインスタグラムの利用実態

対象者条件:
基礎属性:男女/20-60歳代/全国
その他属性:一年以内の注文住宅購入検討経験あり/住宅検討時のインスタグラムの利用経験あり
サンプル数:
スクリーニング:15,000ss
インタビュー実施:8 人
クエストの支援内容 :
インタビュー設定 (スクリーニング配信〜日程調整まで)
インタビュー (モデレーター) 代行
メモ・レポーティング資料作成
※ 調査企画・設計はクライアントにて実施
費用 :
89.6万円 + 税

デプスインタビュー (DI) の実施をご検討であれば、まずはお気軽にご相談ください。
漠然と検討している段階の方からのお問い合わせも歓迎です

ご相談・お見積り (無料)

デプスインタビュー (DI) で使えるアンケート (質問項目) テンプレート

個社のご要望に応じて作成いたしますのでお問い合わせください
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実施企業数

40
社以上

調査実績

225
件以上

Intv.実績

2,120
人以上

提携パネル数

1,900
万人以上

主なリサーチャーのご紹介

加藤 直樹 | Naoki Kato
加藤 直樹 | Naoki Kato
東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループ (東京) に入社し、コンサルタントとして活躍。2019年に株式会社 Quest に Join。認知度調査や市場規模調査等のマーケティングリサーチに強み。
近藤 恭平 | Kyohei Kondo
近藤 恭平 | Kyohei Kondo
北海道大学工学部卒業後、エニグモ、リクルートを経て、スタートアップを共同創業。同社退職後は BCGデジタルベンチャーズを経て、株式会社 Quest に Join。事業オーナー目線でのカスタマー・エキスパートリサーチに強み。

デプスインタビュー (DI) の実施等に関するご相談はこちら

漠然と検討されている段階の方から、明日調査を開始したい方まで、幅広く対応いたしますので、まずはご相談ください。以下フォームに記載可能な範囲でご記入いただけましたら、内容確認後に担当より遅くとも2営業日以内にご連絡いたします。

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