ユーザビリティ調査とは?
ISO(国際標準化機構)による「ユーザービリティ」の定義では、『特定の製品(Webサイトやアプリ)が、「特定の利用者」によって「特定の状況下」で「特定の目的」を達成するために用いられる際の、「有効性」「効率性」「満足度」の度合い』とされています(ISO9241-11)。
この定義から読み取れるように、ユーザービリティ調査とは、ターゲットとしているユーザーにとっての製品(プロダクト、Webサイト、アプリなど)の使いやすさを評価する調査手法です。対象者に実行して欲しいタスクを提示し、その実行プロセスを観察したり、実行後の振り返りインタビューを行ったりすることで、使いやすい点と問題点を調査します。
ユーザビリティ調査の活用場面
競合のプロダクトやサイト・アプリ等と比較することで自社プロダクト等の改善点を具体的に把握したり、実際の行動の観察によって定量データではわからない課題の把握をすることができます。
- 競合とのユーザビリティ比較
ユーザビリティテストを行うことで、ターゲットユーザー視点での競合との違いを具体的に把握することができます。
- 定量データではわからない課題の把握
アクセス解析ツールなどで得られた定量データだけでは、なぜそのようなデータが出たのかについて課題を特定することが難しいです。そのため、ターゲットユーザーが実際に行っている行動を観察することで、制作者の視点では気づけなかった課題を把握することができます。
ユーザビリティ調査実施時の注意点
- 誘導的な質問にならないように注意
実行中のタスクに際して、質問する際には自分の仮説ベースで相手に質問するのではなく、事実を指摘する形で質問をするように心がけましょう。
- 調査における適切な人数の設定
ユーザビリティ研究の第一人者であるJakob Nielsen博士らによると、ユーザービリティ調査は1回の調査あたり5人の対象者に行うと85%の問題点がわかるとしています。そして、数人に聞くと大体同じようなフィードバックになり新しい問題の発見が生じなくなるため、徹底的な調査を1回だけ行うのではなく5人の対象者への調査が終わり次第早急に問題点を修正し、もう一度ユーザービリティ調査を行う方が望ましいとされています。
一方でANKR DESIGNの木浦氏によると、当該研究はユーザビリティ調査によって生じる収益とコストの観点から適切なユーザビリティ評価人数を導いており、現代の日本において当該研究における仮置きの数字の妥当性には疑義があり、鵜呑みにするのは危険があるのではないかという見解を提示しています。