PMF(Product Market Fit)調査の概要と実施時の注意点

PMF(Product Market Fit)調査とは

  1. PMF調査とは
  • 概要/明らかにできること

:PMF(product/market fit)とは、企業の商品やサービスが最適な状態で最適な市場に提供されているということを表します。スタートアップ企業の提供する商品やサービスがproduct/market fitであるかどうか・どうやってそこに到達するかは事業を成長させていくうえで重要になります。Product/market fitは、Marc Andreesenによると「製品と市場の適合性は、それが起こっているときに必ず感じることができます。製品を作るのと同じ速さで顧客が製品を購入しています。あるいは、サーバーを追加するのと同じ速さで利用者が増えています。お客様からのお金が会社の預金口座にたまっていきます。営業やカスタマーサポートのスタッフをどんどん採用しています。記者からは、話題の新製品について話を聞きたいという電話がかかってきます。ハーバード・ビジネス・スクールから「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し始めます。投資銀行家があなたの家に張り付いています。」のような状況だといいます。しかし、これが必ずしもすべての企業に当てはまるわけではありません。上記の要素を達成していても上手く成長できていない企業も存在します。そのようなときに、product/market fitを測るものとしてPMF調査があります。調査の手法としては、主に「PMS・NPS・エンゲージメント調査・リテンション率調査」の4つがあります。それぞれの手法は以下のとおりです。

  • PMS(Product/Market Fit Survey, Sean Ellis test):「○○が使えなくなったらどう感じますか?」という設問に「とても残念である/幾分残念である/残念でない」という選択肢を用意し、選択してもらう→「とても残念である」と回答する人の割合が40%を超えるとPMFを達成しているとすることができます
  • NPS(Net Promoter Score):「○○を友人や同僚に薦める可能性がどの程度ありますか?」という質問に対して0~10の11段階で回答してもらいます(0~6を批判者、7~8を中立者、9~10を推奨者として推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSのスコアになります)
  • エンゲージメント調査:契約数やユーザー数、商談率等のデータを集める。データを集積することで、ユーザーの定着率の悪さや新規ユーザーの獲得の失敗、ニーズの不理解といった問題を定量的に把握することができます
  • リテンション率:リテンション率を縦軸にリリースからの期間を横軸に設定したグラフからなるリテンションカーブから商品やサービスがどの程度顧客から使用され続けているかを測ります。リテンションカーブがある時期から横軸と平行に近づいている場合、それはある市場でPMFの状態になっていることがわかります。

主な調査方法は上記の4つですが、Questは、PMF調査としてPMSという手法を主に用います。これは、NPSが日本においては数値が低く出やすいという特質も持っているということ、エンゲージメント調査やリテンション率調査が商品・サービスの現在の利用頻度や普及に焦点を当てており今後の成長や課題感の把握に繋げにくいことによります。よって、事業の状況や将来的な成長を定量的に把握する指標としてPMSを推奨しています。

以下の調査設計についてもPMSの使用を前提にしています。

  • 調査の目的/活用場面

・自社プロダクトの市場受容性の確認

自社プロダクトが市場に受け入れられていなければ事業は成功しないため、現状どの程度市場に受けられているのかを定量的に測定する際に用いられます。

・自社プロダクトをスケールさせる時期を決定

アイデアをスケールさせるタイミングは、事業の成功の可否に大きく関わる。スケールの時期が早すぎるとユーザーが離れてしまうし、遅すぎると競合他社に先を越されてしまうからです。そのため、PMF調査はスケールのタイミングを判断するのに有効です。

・自社プロダクトの定着率の把握

自社のサービスを利用したものの結局他のサービスに移動してしまったら、事業として成功しません。つまり、新規ユーザー獲得と並んで重要なのは既存ユーザーのつなぎ止めです。エンゲージメント調査等を通じてデータから顧客情報を把握します。

・例)Superhuman: 創設者はもともと以前の起業で成功していたため、資金調達やマスコミからのインタビューを起業の早い段階からうけていました。そのため、事業がPMFかどうかを状況から判断することが困難でした。そこで、PMS調査を実地し、その結果から企業重役や経営者がサービスのコア層であることを把握しました。そして、その層を対象にサービスの改善(ex: モバイル化等)を、FBをもらいながら繰り返した結果、PMFを見つけました。2017年時点では22%だったPMSスコアは、コア層に着目した後には33%になり、その三四半期後には58%になっていました。

  1. PMF調査のアウトプットイメージ
  • ~5枚程度のキーアウトプット
  • 各アウトプットの内容(メッセージ)
  • PMS(Product/Market Fit Survey, Sean Ellis test)、NPS(Net Promoter Score)、エンゲージメントデータ、リテンション率の維持状況 等の調査方法があります。
  • 商品・サービスのユーザー層や見込みのあるユーザー層、商品・サービスの強みや商品・サービスの課題を集積し分析します。
  1. 基本的な調査項目
  • 上記②のアウトプット内容の具体化/一覧化
  • PMS(「○○が使えなくなったらどう感じますか?」という設問に「とても残念である/幾分残念である/残念でない/サービスを利用したことがにない」という4つの選択肢を用意し選択してもらいます)
  • どのような人が○○の恩恵を授かっていると思いますか?
  • ○○を利用した際にあなたにとって有益だったことを教えてください
  • なぜユーザーは○○を好んで利用していると思いますか?
  • 逆に○○を利用する上での都合の悪い点はありますか?
  • ○○について改善してほしい点はありますか?
  •  等
  • 調査票テンプレート
  1. サービスの提供範囲/納品物
  • 設計(調査票作成)⇒実査⇒集計分析/レポート作成それぞれの概要、また状況に応じてこのプロセスを繰り返し、PMSスコアの目標値の達成を目指します。
  • 各プロセスでの納品物
  • クライアントが実施する必要のあること
  • 調査票の確認
  • アンケート画面の確認
  • 各時点での顧客からのFBに沿った課題解決 等
  1. 調査期間/提供価格
  • 期間・価格についてはお問い合わせください
  • (スクリーニング設問+)PMS+強みや課題に関する設問~5問/回収数100~1000人程度?ex)Slackは2015年に731人に対してPMSを実地しました
  1. 調査実施する上でのTips/Q&A
  • 定期的なPMF調査をすることで適宜修正を加え、PMFの状態に達することを目指していきます。
  • PMS調査における「幾分残念である」と回答した回答者からの改善点に着目します。彼らが「とても残念である」層になる可能性が高いからです。
  • ユーザー層の把握をしたうえで、商品・サービスの利用者に絞って商品・サービスの強みや課題を明確にしていきます。
  • PMS調査における「残念でない」回答者は「とても残念である」に代わる可能性が低く、彼らからの改善点等の意見はサービスの方向性を曖昧にするため基本除外します。

PMF(Product Market Fit)調査 の実施をご検討であれば、まずはお気軽にご相談ください。
漠然と検討している段階の方からのお問い合わせも歓迎です

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実施企業数

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調査実績

225
件以上

Intv.実績

2,120
人以上

提携パネル数

1,900
万人以上

主なリサーチャーのご紹介

加藤 直樹 | Naoki Kato
加藤 直樹 | Naoki Kato
東京大学法学部を卒業後、ボストン・コンサルティング・グループ (東京) に入社し、コンサルタントとして活躍。2019年に株式会社 Quest に Join。認知度調査や市場規模調査等のマーケティングリサーチに強み。
近藤 恭平 | Kyohei Kondo
近藤 恭平 | Kyohei Kondo
北海道大学工学部卒業後、エニグモ、リクルートを経て、スタートアップを共同創業。同社退職後は BCGデジタルベンチャーズを経て、株式会社 Quest に Join。事業オーナー目線でのカスタマー・エキスパートリサーチに強み。

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漠然と検討されている段階の方から、明日調査を開始したい方まで、幅広く対応いたしますので、まずはご相談ください。以下フォームに記載可能な範囲でご記入いただけましたら、内容確認後に担当より遅くとも2営業日以内にご連絡いたします。

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