:PMF(product/market fit)とは、企業の商品やサービスが最適な状態で最適な市場に提供されているということを表します。スタートアップ企業の提供する商品やサービスがproduct/market fitであるかどうか・どうやってそこに到達するかは事業を成長させていくうえで重要になります。Product/market fitは、Marc Andreesenによると「製品と市場の適合性は、それが起こっているときに必ず感じることができます。製品を作るのと同じ速さで顧客が製品を購入しています。あるいは、サーバーを追加するのと同じ速さで利用者が増えています。お客様からのお金が会社の預金口座にたまっていきます。営業やカスタマーサポートのスタッフをどんどん採用しています。記者からは、話題の新製品について話を聞きたいという電話がかかってきます。ハーバード・ビジネス・スクールから「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し始めます。投資銀行家があなたの家に張り付いています。」のような状況だといいます。しかし、これが必ずしもすべての企業に当てはまるわけではありません。上記の要素を達成していても上手く成長できていない企業も存在します。そのようなときに、product/market fitを測るものとしてPMF調査があります。調査の手法としては、主に「PMS・NPS・エンゲージメント調査・リテンション率調査」の4つがあります。それぞれの手法は以下のとおりです。
主な調査方法は上記の4つですが、Questは、PMF調査としてPMSという手法を主に用います。これは、NPSが日本においては数値が低く出やすいという特質も持っているということ、エンゲージメント調査やリテンション率調査が商品・サービスの現在の利用頻度や普及に焦点を当てており今後の成長や課題感の把握に繋げにくいことによります。よって、事業の状況や将来的な成長を定量的に把握する指標としてPMSを推奨しています。
以下の調査設計についてもPMSの使用を前提にしています。
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・自社プロダクトの市場受容性の確認
自社プロダクトが市場に受け入れられていなければ事業は成功しないため、現状どの程度市場に受けられているのかを定量的に測定する際に用いられます。
・自社プロダクトをスケールさせる時期を決定
アイデアをスケールさせるタイミングは、事業の成功の可否に大きく関わる。スケールの時期が早すぎるとユーザーが離れてしまうし、遅すぎると競合他社に先を越されてしまうからです。そのため、PMF調査はスケールのタイミングを判断するのに有効です。
・自社プロダクトの定着率の把握
自社のサービスを利用したものの結局他のサービスに移動してしまったら、事業として成功しません。つまり、新規ユーザー獲得と並んで重要なのは既存ユーザーのつなぎ止めです。エンゲージメント調査等を通じてデータから顧客情報を把握します。
・例)Superhuman: 創設者はもともと以前の起業で成功していたため、資金調達やマスコミからのインタビューを起業の早い段階からうけていました。そのため、事業がPMFかどうかを状況から判断することが困難でした。そこで、PMS調査を実地し、その結果から企業重役や経営者がサービスのコア層であることを把握しました。そして、その層を対象にサービスの改善(ex: モバイル化等)を、FBをもらいながら繰り返した結果、PMFを見つけました。2017年時点では22%だったPMSスコアは、コア層に着目した後には33%になり、その三四半期後には58%になっていました。