エキスパートインタビューとは、特定の業界や職種について勤務経験がある専門家・有識者に対してインタビューを実施する定性調査の一種です。経験やノウハウがないような市場に参入する際、業界の慣習や課題感覚、市場動向の感覚などが既に掴めている専門家に聞くことで、クイックに当該分野の全体感や機会、リスク、最新動向などを把握することができます。
特に、セミエキスパートインタビューとは特定企業の部門や役職を条件として対象をリクルーティングするのではなく、業界全体・職種全体を検索対象とすることでよりクイックに対象者を確保し仮説検証を行うことが可能です。特定企業の特定部門・役職に対してインタビューを行うことも可能ですが、出現率が低くなる可能性があります。エキスパートインタビューは主に1対1で行われ、時間は60-90分程度実施されます。エキスパートインタビューは専門家を対象にしたデプスインタビューと言ってもよいでしょう。
メリットとしては、
特に、既に経験がある専門家に聞くことでリサーチの時間を大幅に削減できる点はビジネスの意思決定を進めるうえで非常に重要です。自社の知見やノウハウがない領域においても質の高い情報をクイックに取得でき、事業の将来性や原案に対するフィードバックを得ることができます。
専門家は多忙なケースが多いため、短時間で必要な情報を引き出す必要があります。事前にきちんと質問設計を行い、収集したい情報を網羅的に集められるように心がけることが重要です。Questでは収集したい情報やエキスパートの属性に合わせて、インタビューガイドを作成するサポートも行っております。
エキスパートインタビューにおいては、対象者の出現率を考慮してパネルを選定する方が望ましいです。エキスパートであっても消費者向けのアンケートパネルに登録されているケースは多く、出現率が高そうな対象者を設定している場合には消費者パネルを通じてリクルーティングが可能です。その場合コストを抑えたり、一般的な意見をヒアリングできたりといったメリットを享受することができます。一方で、出現率が低そうな対象者に対しては、専門家パネルを通じてリクルーティングした方が確実に調査を実施することができます。
エキスパートインタビューは、新規事業に関わる幅広い情報のヒアリング、業界のシナリオプランニング、エキスパートが利用している製品の評価などに用いられます。特に新規事業立案のコンテクストで利用されることが多い調査手法です。
新規事業企画案が業界において受け入れられるかというコンセプトに関するインタビューから、業界の全体観・トレンドのヒアリングまで、幅広く新規事業開発に関わる情報をヒアリングすることができます。
特定業界の動向に対する意見を業界の勤務経験者やエキスパートから集めることにより、今後の全社・事業戦略や投資戦略の立案に役立てることができます。
エキスパート向け製品を利用しているユーザーから製品の利用体験や感想等を把握することで、競合調査や自社商品の改善に生かすことができます。現場で実際に使用している声を拾うことができ、普段の生活ではなかなか現れてこない対象者にもインタビューを実施することが可能です。
Questでエキスパートインタビューを実施いただく場合、下記のような特色がございます
調査の背景や目的をご共有頂くとともに、インタビューの対象となるエキスパートの方の条件などを相談させていただきます。Questでは業界・職種レベルにおける幅広いエキスパートインタビューが設定できます。
※補足:特定業界の特定役職・部門・経験というような出現率の低いエキスパートに関しては通常よりお時間をいただく場合がございます。
Questが提携しているアンケートパネルにスクリーナー用アンケートを配信し、条件に合致する方には別途電話での確認を行って、インタビューの候補者を共有させていただきます。
※補足:1つのセグメントに対して、6~10名ほどインタビューすることが良いとされています。あるテーマに関する定性調査を被験者に対して行う際に10名前後のインタビューで80~92%の新しい気づきをカバーすることができるからです。
インタビュー当日のインタビュアーは弊社にて実施することも可能です。インタビューガイドの作成も弊社にてサポートさせていただくことが可能です。
Questがインタビュアーとなって実施する場合、インタビューメモをリアルタイムで共有いたします。クライアント企業様から追加で質問がある場合はそちらでご指摘いただくことが可能です。
基本の納品物はインタビューの録画となっております。オプションでインタビューサマリーシートや分析資料を納品することも可能です。詳しくはお問い合わせください。