エクストリームユーザーインタビューとは、極端なニーズや極端な使い方、極端な環境などで商品・サービスを使用する「極端な人」をインタビューすることによって、多くの人が抱えているニーズを深く把握する手法です。
エクストリームユーザーから得られるニーズは、生活者のほとんどが気づいていない潜在的なニーズであり、それを起点として新規商品・サービス開発における0→1のプロセスに生かすことができます。世間の常識や固定観念からは見つけることができないニーズを発見するために、意図的に「極端な人」に対してインタビューすることが重要となります。
例1:殺虫剤の使い方に関する調査で「週に1缶殺虫剤を使う人」にインタビュー(御立, 2003)
例2:普段使いの化粧品に関する調査で「ベタつきが保湿の証拠」という認識を発見(西口, 2019)
エクストリームユーザーを観察することによって、商品の持つベネフィットに対するバイアスに気づくことができ、その気づきを新規商品・サービスの開発に活かすことができます。
これまではターゲットセグメントのニーズに応える製品やサービスを開発することが一般的であったが、現代ではターゲットセグメントにヒアリングして得られるニーズを満たす商品・サービスは既に多数存在しており、差別化を図ることが難しくなってきています。そのため、世間の常識や固定観念からは見つけることができないニーズや価値観を発見するために、エクストリームユーザーインタビューが利用されています。
既存製品やサービスがユーザーの生活において実際にはどのように使われているか、対象ユーザー独自の使い方の工夫を観察することによって、商品の改善点やユーザーにとっての価値を発見することができます。
エクストリームユーザーインタビューは、新規商品・サービス開発におけるニーズ発見のフェーズで行われるものであり、何らかの仮説を持ってインタビューを行うのではなく、エクストリームユーザーが普段行っている行動を中心に深掘りしていくことが重要です。
その際には、インタビューのみならず実際の行動の観察も合わせて行うことによって、さらに深い理解を得ることができます。
デプスインタビューにも当てはまることではありますが、なぜそのような行動をしているのかについて深掘りすることは重要です。その際、エクストリームユーザーの行動に対して影響を与えているのは何かを注意深く探っていくことが大切です。一方で、発言の深掘りだけでなく実際に行動を観察することによって、ユーザー自身が気づいていないニーズや言語化できていない背景を発見できるケースもあるため、臨機応変に対応することが求められます。