株式会社Quest
執行役員COO・歸山 圭祐

はじめに

2026年10月、株式会社Questの執行役員COOに歸山圭祐が就任した。損害保険会社、BCG、PEファンド、ベンチャー企業と歩んできた彼は、なぜ今Questを選んだのか。
AIによって戦略コンサルティングの何が変わり、何が変わらないのか。CEO小梶との共同体制で目指す事業成長の方針と、組織づくりへの考えを聞いた。

1. これまでのキャリアとQuestを選んだ理由

戦略的な思考と経営の実践、その両方に挑める組織とチームへ。

ー まず、これまでのキャリアについてお聞かせください。‍

大きく3つの段階に分けられます。新卒で入社した東京海上日動火災保険で約6年半、BCGで約9年、その後の約4年はPEファンドとベンチャー企業で、それぞれの職種や立場から経営や事業に触れてきました。一貫しているのは、企業向けの商品やサービスを届ける事業に携わってきたことです。
東京海上日動では法人営業を経て、法人向けの商品開発や、新たな商品・サービスの営業展開およびマーケティングを担いました。BCGへの転職で職種はコンサルタントに変わりましたが、日系大企業で体得した組織の力学や現場の業務プロセスへの理解は、コンサルタントとして大いに役立ちました。保険・金融領域を中心に中長期の経営戦略や新規事業開発を手がけた後は、経営の視座を深めたいと考え、PEファンドで投資先の事業統合や戦略推進に携わり、上場を目指すベンチャー企業で戦略コンサルティングチームのリーダーを務めました。
振り返ると、お客様である経営者や事業責任者の方々のスピード感や責任感に追いつこうと、懸命に走ってきた約20年でした。失敗も辛い作業も経験しながら、先輩や同僚に助けていただき一歩ずつ進む中で、「徹底的に考え抜けた」「妥協せずに動き続けられた」という小さな自信が、少しずつ積み重なってきたと思います。

ー 数ある選択肢の中から、Questを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。‍

Questでの新たなキャリアは、「組織成長への貢献と自己成長への挑戦のバランス」が決め手です。コンサルでの経験と専門性を発揮してチームを牽引し、同時に、経営陣としても企業成長にコミットする。その両軸が実現できる環境だと感じました。
背景には、前職での経験があります。チームに求められる役割が、次第に「戦略を描くこと」から「自社のサービスを届けること」へと移り、自分が伸ばしていきたい専門性とは少し方向が違うと感じていました。ちょうどその頃に、AIの大きな波が来ました。コンサルタントの基本的な作業が大きく塗り替えられていく中で、この変化を取り込み、コンサルティングのあり方そのものを変えていくことも大きなテーマだと感じたんです。
Questでは、お客様に向き合いながら、まだ成長余地のあるチームを組織面でも運営面でも良くしていける。グループのリサーチ事業とどう連携するかを、経営チームの一員として自ら考え、決めていける立場であることにも強く惹かれました。純粋なコンサルファームに戻る道も、ファンドの投資先に経営人材として入る道もある中で、その間にある場所として、Questを選びました。

ー グループにリサーチ事業があることも、決め手の一つだったということですね。‍

まさにその通りです。まず、コンサルティングとリサーチという2つの事業の柱があり、バランスが良く、相関性も高いこと。もう一つは、単なるリサーチ会社ではなく、開発チームをはじめグループ全体に「業務のあらゆる場面でAIを使いこなそう」という考えが浸透していることです。私たちコンサルティングチームも、AIを基盤にしたチームづくりや業務運営に移行していきます。その土台がすでにあることは、とても心強かったです。

2. AI時代の戦略コンサルティングと、Questの変革

AIで変わるもの、変わらないもの。コンサルタントの付加価値をお客様の成長につなげるために、徹底的にAIをレバレッジする。

ー 生成AIの普及で、戦略コンサルティングやコンサルタントの価値は、どう変わっていくとお考えですか。‍

すでに大きく変わった部分と、本質的には変わらない部分の両方があり、そこをうまく「選り分ける」ことを重視しています。
変わったのは、リサーチを中心とした情報の扱い方です。これまでは主に属人的な経験の蓄積や、人手・投入時間が重要だったリサーチや検証の業務を、今はAIが幅広く、速く、しかも客観性を持って担ってくれます。
一方で、仮説や検証結果をお客様にお持ちして、双方向での対話で議論を深める部分は、ほとんど変わっていません。お客様が何を求めているのかを五感で感じ取り、ひとりの人間として向き合い、どんな表情で、どんな言葉で議論をリードするか。コンサルタントが本当に勝負しているのは、この部分なんです。人と向き合って議論をリードする力を鍛えてきたからこそ、私たちはAIレバレッジで、人の付加価値を高める会社を目指していくべきだと考えています。

ー 「AIレバレッジ」を実現するうえで、何を大切にしていくべきでしょうか。‍

前提として、私たちは「AIが稼いでくれる会社」だとは思っていません。チームとメンバーの仕事の成果を最大限に引き出して、お客様に私たちの付加価値をお届けするために、AIを徹底的に活用する。この姿勢を一貫させることが最も大切です。私たちが主体的にAIを使いこなすのであって、AIを中核に据えるわけではありません。
AIには、客観性があり、処理が速く、活動量に基本的に制限がないという特性があります。まずは特性を深く理解したうえで、人がAIに出す指示をどう設計するか。それによって人がやる仕事の付加価値を最大化することこそが、本当にやるべきことです。

ー その実現に向けて、ご自身の立場から、まず何を変えていきたいですか。‍

まずは、チームとして、会社としてAIをうまく使えるようにすることです。押さえるべき点は3つあります。
1つ目は、全員がAIの基本を理解し、どう使うべきかを知ることです。
2つ目は、チームとしてレバレッジが効く形で使うことです。どんなスキルや仕組みを作り込むか、次々と出てくる新しい知見を集団としてどう取り込むか。そうしたAI活用のあり方を、組織の集合知として設計していきたいと考えています。
3つ目は、リスク管理です。新しいツールには未知のリスクもあるので、IT部門も含めた組織全体で管理していく必要があります。
そのうえで大事なのが、一人ひとりの専門性や、人としての「キャラクター」をもっと濃くしていくことです。キャラクターは、経験と、それを発揮する場や人とのつながりがあって初めて生まれるものです。どんなに面白い人でも、誰にも見つけてもらえなければ、キャラクターを活かせません。だからこそ、そこにどれだけ時間をかけるかが大事です。そうした積み重ねを、チームとして追求していきたいと考えています。

3. これからのQuestをつくる組織と仲間

フレッシュな目で、組織の「今」と「これから」に向き合う。

ー CEOの小梶とは、どのように役割を分担していくのでしょうか。

CEOとCOOだからこう分ける、という役割分担は、お互いにあまり考えていないんです。コンサルタントとしての基礎的な力を互いに認め合えていて、経験値も近いので、考えを揃えやすいですし、何より遠慮なく言い合える関係にあります。役割を明確に決め担当領域を分けるというより、共に考え互いにチェックが効く体制で組織をリードしていきたいと考えています。
そのうえで私が違いを出せるとすれば、この組織をフレッシュな目で見られることです。これまでの関係性をいったん横に置いて、「こういうやり方はどうだろうか」と投げかける役割を、これから1〜3年は積極的に担っていきたいと思っています。

ー 入社して間もない今、中に入って見えたQuestの姿はいかがですか。‍

まず、規律が効いていて、とても整った会社だと感じました。この規模の会社だと混沌とした状態になっていることも珍しくありませんが、Questでは、何をどこで管理しているかがきちんと見える化されています。仕組みを作る側の努力に加えて、一人ひとりが当事者意識を持っているからこそで、ちゃんとした大人の集団、というのが率直な印象です。
そのうえで、もっと良くしていきたいと思うこともあります。代表の南をはじめ、頭脳明晰でフットワークも軽い経営陣が事業を力強く牽引しているからこそ、その考えや想いが組織の隅々まで届き、一人ひとりが同じ方向を向いて走れる状態になれば、組織はもっと大きく伸びるはずです。事業を成長させつつ、組織の内側もより良い状態に発展させていく。そこは、ぜひ私が主体的に取り組んでいきたいところです。
もう一つ伸ばしていきたいのが、意思決定からアクションまでのスピードです。課題の8割が見えていて、その8割に概ね正しいアプローチが取れているなら、8割×8割で64%はすでに捉えられています。そこからまず動き出し、必要に応じて軌道修正できるよう、じっくり考えるべきテーマと、スピードを優先すべきテーマを使い分けられる組織にしていきたいと思っています。

ー 組織づくりや採用において、大切にされていることは何ですか。‍

常に3つのことを大事にしています。
1つ目は、考える力です。お客様にどのように付加価値を感じていただくか、そのために社内でどのような組織や運営をつくり上げるか。考えるべきことに正面から向き合える方に、ぜひ仲間になっていただきたいと思っています。
2つ目は、変わること、変えることに挑戦できることです。今後も世の中は高速での変化が続き、常に新たな環境での事業成長が求められ続ける中で、個人としても組織としても、良い方向に変わっていくことを受け入れ、楽しめるチームでありたいです。
3つ目は、チームプレイです。メンバーの力量を合算するだけでなく、それぞれのキャラクターが化学反応を起こして、もっと大きな力を出せる組織にしたいと考えています。

ー 歸山さん個人としては、3年後のQuestをどんな姿にしたいですか。‍

まずは、「AIレバレッジで人の付加価値を高めるコンサルティング会社」として、きちんと認知されている状態をつくりたいです。そのためには、AI活用の中身を作るだけでなく、「コンサルタントの誰々が、この領域でこんな示唆を出して、お客様の事業成長をこうリードした」という実績を積み上げ、社外へ発信していくことが欠かせません。
ただ、3年後にそれができていたとしても、「このまま5年行こう」という組織にはしたくないんです。常に挑戦していくのが楽しみだと思える組織であり続ける。この2つが両立できたら、すごく良い3年後になると思います。

4. 未来の仲間へ

AI時代のコンサルタントは、もっと面白くなる。その可能性を、共に形にしたい。

ー これから迎える仲間、特にマネージャー層には、どのような役割を期待されていますか。‍

マネージャーというより、リーダーであってほしいと思っています。洗練された手法で何かを管理することが、技術的な進化によってますます標準化されていく中で、自分自身の意志や決断でリードする役割を担う重要性は高まっていくと思います。また、自ら率いる立場に立ってチームの力を高めようとすると、自然とサポートする側の視点も身についていきます。だからこそ、課題に対して「自分が引っ張るんだ」と思える方に、ぜひ力を発揮していただきたいと考えています。
お客様のキーパーソンや組織に、ひとりの人間として向き合ってリードしていくことは、AIがどれだけ進化しても人に求められる役割です。それは職階に関係なく、メンバーでもシニアマネージャーでも同じです。それぞれの立場に合った課題を、自分でリードして解決したいと思う方と、一緒に働きたいと考えています。

ー 新しく仲間になられる方には、Questの成長にどのように関わっていただきたいですか。‍

率直に言って、領域にも関わり方にも、制約はないと思っています。
「こういう領域のお客様にアプローチしよう」でもいいですし、「リサーチ側と連携して、こんなサービスを強めよう」でも構いません。働き方や評価の仕方といった社内の仕組みも含めて、口を出してはいけない領域はないと考えています。
関わり方も、課題提起でも、助言でも、自ら責任者になると宣言するのでもいいと思っています。私たち自身、まだまだ良くしていけることが本当にたくさんあるので、自分の関心や専門性が活かせるところに、どんどん関わっていただきたいです。

ー 最後に、未来の仲間へメッセージをお願いします。‍

私たちは、AIを基盤に、一人ひとりがキャラクターと実力を発揮できる組織を目指しています。コンサルティングというサービスが大きな変革期を迎えつつある中で、このような組織を自ら創っていきたい、組織づくりやお客様への価値提供に主体的に関わっていきたいという方にこそ、来ていただきたいと思っています。
‍「AIの時代に、コンサルタントはもっと面白いことができるはずだ」と思っている方と、ぜひ一緒にその可能性を形にしていきたいです。

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