回帰分析の概要と実施時の注意点

回帰分析とは

回帰分析とは、「何かを行うこと(説明変数)が何かの結果(被説明変数)にどのような影響を及ぼしたか」という因果関係を関数の形で明らかにする分析手法です。説明変数が1つの単回帰分析に対して2つ以上のものを重回帰分析と呼び、単回帰に比べてバイアスを減少させることができる分析手法です。


回帰分析を使う目的

回帰分析は以下の用途で使用されます。

  1. 因果関係の推定:ある変数間の関係性を明らかにします。(例:ある広告キャンペーンで売上が増加したかを明らかにする)
  2. 予測:手元にあるデータを使って回帰式を推定し、その回帰式に数値を代入することで予測値を求めます。(例:過去のデータから広告宣伝費と売上の回帰式を推定し、今期の広告宣伝費予算を式に代入することで売上の推定値を導出する)

ビジネスの現場で使用されるシーンが多くなるのは因果関係の見極めです。
「この広告キャンペーン(何かを行うこと)は本当に売上を増加(何かの結果)させたか」、「会社内での時間と外回りの時間のどのように配分(何かを行うこと)したら社員の営業成績(何かの結果)は良くなるのか」という問いに対して因果関係に基づいた意思決定が行えるからです。もし広告キャンペーン以外の要因で売上が増加していたとしたら、広告宣伝費を増やす意思決定は失敗してしまいます。直感や経験に基づく判断に比べ、事象を明確にわかった/わかってないに分類することで、利益直結する経営判断を下すことができるようになります。

また、因果関係の見極めの中でも後述する処置効果法が最もビジネスの現場に即しているといえます。あるビジネス上の施策を行った際に、それが売上や販売数量といったKPIに与える影響を推定することができるからです。クーポンでの需要喚起がどれくらいなのか、ウェブサイト上でどちらのデザインだと契約率が高くなるのか、どういうメールを打つと返信率が高くなるか、など現実でもよく行われている施策の効果をかなり正確に推定できます。


因果関係を推定するための様々なモデル

因果関係の推定方法は複数パターン存在するため、まず明らかにしたい事柄の仮説を立て、それから回帰式で事柄をモデル化することが望ましいです。特に、「その結果に他に影響を与える要因はないだろうか」という観点からバイアスをなるべく排除できるモデルを作ることで因果関係がより明確になります。

  • 単純な因果推定:AがBに与える影響を調べたい際には単純な重回帰モデルを使用します。ただし、結果に影響すると思われる変数をなるべく多くモデルに組み込む必要があります。AにもBにも影響がある他の要因がある変数を交絡因子と呼び、この変数を追加しない場合欠落変数のバイアスが発生してしまいます。バイアスが発生すると効果を過剰/過小評価してしまう恐れがあり、明確な因果関係を導けない恐れがあるので最大限の注意が必要です。
    例えば、アイスクリームの広告宣伝費と売り上げの関係性を見たい場合、アイスクリームの消費に影響を与えると思われる変数(その年の夏の気温や30°Cを超えた日数など)を追加しなければ広告宣伝費の本当の効果を推定することはできません。
  • 処置効果法:ある施策を行った対象と行わなかった対象を比較することで、施策の効果を推定します。インターネット上のマーケティング効果推定は特にABテストとも呼ばれています。この際、実験の介入群と比較群のグループ分けを無作為に行うことでよりバイアスを排除できます。単純な重回帰分析よりもバイアスの問題を解決しやすいです。(テレビCMを打った地域と打たなかった地域で売上がどのように変化したか、割引クーポンが配布された消費者と配布されなかった消費者でどのように購買に違い出るかなど)
  • 時系列データを用いた推定:ある施策を行った対象と行わなかった対象で、その施策を行った前後の時間経過を通して因果関係を推定する手法です。具体的には差の差法という、ダミー変数と時系列変数を組み合わせた変数を持ちいて推定を行います。(2000年に行った需要喚起施策を、1990年から2010年までの時間変化を通して推定する。)
    差の差法を使うことで、時間経過のトレンドが被説明変数に与える影響を無視して、純粋な政策の効果のみを抽出できるようになります。なお、この推定には平行トレンド(施策を実施しなかった場合の介入群と比較群は同じトレンドをたどる)と共通ショック(施策以外に影響を与える要因は同じだけの影響を介入群と比較群に与える)という2つの仮定を置いているため、この仮定が満たされない条件では推定結果の読み解きが難しくなります。


回帰分析をどのように実務に取り入れるか

ここまで回帰分析について、内容やビジネスへの役立て方、使用する際の注意点などについて説明してきました。しかし、こういった因果関係の推定を実際にビジネスに取り入れ、売上増加などをアウトプットするにはいくつか達成すべきステップがあります。企業の中でデータ分析を意思決定に有効活用するために、どのような取り組みを行えばいいかについて弊社の考えを共有いたします。

  • データ分析の専門家とパートナーシップを組む:実際の適切なデータ分析を行うには、統計や計量経済といった専門的なバックグランドと経験がある程度必要です。データ分析はコンピューター上のツールを使ったスキルと勘違いされがちですが、その範囲はより広義なものです。収集すべきデータの選定や、推定モデルの構築、分析する前の「どういう問いに答えたいのか」といった、コンピューター上でデータを操作する前段階の過程が重要となります。企業の内部で人材を育成・採用するというのもデータ分析を行う上で1つの解決策ではありますが、そういった人材はビジネス界に少ないのが現状です。まずは大学の教授や研究機関の専門家に協力を仰ぐことがデータ分析への違う解決策となります。
  • データへのアクセスを開く:データは企業ごとの価値源泉となるリソースではありますが、そもそもデータへのアクセスがない場合専門家との協業的な関係は発生しません。また、完全に開かれたデータでなくとも、専門化集団にデータへのアクセス権を付与することで予想せぬポジティブな示唆を得られる可能性があります。まずは完全に信頼できる専門家や教育機関と契約の下でデータの公開を行い、データセキュリティに留意したうえで徐々にデータの門を開いていくことが望ましいと考えます。

回帰分析を実施するときに役立つビジネス・テンプレート

現在、準備中です。 お急ぎの場合は、メールにてお問い合わせください。

回帰分析を調べた人は、他にもこんな用語をチェックしています

回帰分析 に関連した調査を株式会社Questで実施した事例

(準備中)

回帰分析 を実施するなら 株式会社Quest にご相談ください

関連する事業紹介

定量調査 | 消費者向け・B2B 領域サーベイ

最短半日・適正価格でできる消費者調査

アンケートもインタビューも最短半日で完了する、業界最速水準の消費者調査を提供しています。これまで1週間以上かかっていた調査も最短半日で完了し、利用したほぼ全てのクライアント企業様から「スピードが他社よりも速い」と認識頂いています。戦略コンサルティング会社出身者がサポートすることにより品質を向上する一方で、最適な手法を選択することで価格もリーズナブルに抑えられることも特徴です。

事業内容を詳しくみる
調査実施のご検討・ご相談はこちらから
MAIL FORM
お問い合わせ・実施のご相談
お見積りや調査設計に関する詳しいご相談は、問い合わせフォームよりご連絡ください
TEL
電話でのお問い合わせ
月 ~ 金 10:00 - 18:00
(年末年始・祝日を除く)
お問い合わせ・実施のご相談
お見積りや調査設計に関する詳しいご相談は、問い合わせフォームよりご連絡ください
電話でのお問い合わせ
月 ~ 金 10:00 - 18:00
(年末年始・祝日を除く)